阿蘇の外輪山を柔らかに覆う草原。
そこから見はるかす幽玄のカルデラ光景。
緑のベルベットを吹きわたる風の音に、永らく営まれてきた人々の暮らしが徐々に色彩を帯びていく。
草の香りが記憶のひだをなで、身魂はにわかに居ずまいを正す。
そこに住まう人、旅路に訪れる人、だれもが人生の来し方行く末にしばし思いを馳せる。